この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

腰痛が治らない、MRIでも骨や椎間板に異常はないといわれる場合

      2015/07/15

腰痛持ちの人、推定2800万人とか言われます。

そのうち90%近くは腰痛がなかなか治らない、でも明確な原因は不明です。

椎間板ヘルニアがあるわけではなく、筋肉の炎症があるわけではなく、

でも、いつまでも腰の痛みが治らない

 

そういう慢性の痛みはどう考えたらいいのか?

そしてどうしたらいいのか。

NHKスペシャルでやってたのでちょっと解説してみます。

 

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腰痛が治らない方でも最初は椎間板ヘルニアや筋肉の炎症から始まってる

 

腰痛がなかなか治らない、怖くて外出することもままならないという方の場合。

振り返ってみれば、初めての時には明確な原因があることが多いのです。

いきなりくる激烈な痛みのぎっくり腰、原因の多くは椎間板ヘルニアであったり、腰椎から出ている神経のそばの筋肉を激しくひねった炎症であったり。

物理的な原因がよくわかっています。

 

そういう原因の多くは、安静にして炎症が治まるのを待っていれば改善するんですよね。

3か月ぐらい経つと、多くの方ではMRIなどの画像診断上は問題が見えなくなるものです。

 

ところが、画像診断上はよくなっているのに、ちっともよくならない。

なんでなんでしょうか?

 

これまでは、画像診断に映らないような小さな原因が残っているのだろうなと考えられていました。

ところが、それが、原因は明らかにある場所に存在することがわかりました。

腰ではなくて、脳にあるというのです。

 

 

腰痛が治らない原因は脳の左前頭前野のDLPFCの委縮にある

 

痛みというものは、炎症や変形などの原因がある場所を脳が認識することで初めて自覚されます。

けがをする

⇒末梢神経が刺激される

⇒脊髄まで電気信号が伝わる

⇒脊髄を通って脳に電気信号が届く

⇒脳が受け取った電気信号を脳の中で走り廻らせて「痛い」と感じる神経サーキットが完成する

そこで初めて痛いと分かるのです。

 

って、わかりにくい表現ですよね。(;^ω^)

わかりやすいたとえで言えば、

シロナガスクジラみたいなすごく大きな生き物の場合、しっぽをけがしても痛みが伝わるのには1秒ぐらいかかるみたいです。

よけいにわかりにくい?

つまり、そこに痛みが発生しているというのを認識するのは脳なのです。

 

ここがポイントで、「脳の中で痛みを認識する」ことで初めて我々は痛いと感じます。

ところがこの「痛み」の感覚は、強い痛みがしばらく入り続けると、スイッチが入りっぱなしになっちゃうんですね。

そこで、我々の脳にはその入りっぱなしの痛みを解除してあげる役目の部分があります。

DLPFC

DLPFCというのですが、ここがきちんと働くことで、強い痛みが消えてくれるのです。

でも、もしもそのDLPFCがきちんと働かなかったらどうなるでしょうか?

痛みはいつまでも消えないのです。

 

 

慢性腰痛が腰痛に対する知識が増えるだけで半数の人で消える

 

NHKスペシャルの放送を見ていて驚きましたが、慢性腰痛のある人に、具体的にどう対処すればいいのか、そしてどのようになれば腰痛は治るのかということを詳しくビデオで見てもらうと、それだけで38%の人の腰痛が改善したというのです。

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youtu38

どうしてそれだけで治ってしまうのか?

 

実は、慢性腰痛の人の多くで、痛みのサーキットを解除する役目のDLPFCの機能が落ちているのです。

(血流が落ちている)

ところが、ビデをを見て痛みが改善した人では、DLPFCの血流が改善しているというのです。

なんでビデオを見ただけでそれが改善するのかといえば、DLPFCの機能を抑えているのはストレスだからなのです。

 

ぎっくり腰の魔女の一撃の激痛、そのあとしばらく動けない激痛

それらの痛みを思い出すと怖くて動けない、それがものすごいストレスになって、DLPFCの機能を抑えるというのです。

DLPFCstressed

この恐怖というストレス、いろんな改善の方法を知り、腰痛の原因を理解することで

「また起こったらどうしよう」

という恐怖から解放されるのですね、そのせいで、DLPFCに血流が流れていくようになるというのです。

それで腰痛も治っちゃう。

人間の体って面白いです。

 

 

教育ビデオでは腰痛が治らない人も簡単なポーズをとることでよくなることも

 

腰痛に関して理解を深める番組をビデオで繰り返しみても治らなかった人の、半数ぐらいは実際に体を動かしてみることで治るようです。

ビデオで理屈を頭に入れていても、潜在意識からのストレスで体が動かない人。

そういう人では簡単に腰痛が取れないので、実は腰はもう治ってるんだということを刷り込むポーズが有効であるという話です。

 

nokezori

腰に、お尻の上ぐらいに手を当てて、ゆっくりとのけぞる。

それだけでよくなるのです。

 

これ、同時に、認識することが大事です。

通常、腰を痛めた人はのけぞるポーズなんて取れないですよね、痛くて。

でも、すでに腰は治っていて、脳だけが痛みを引きずっている人の場合は、ゆっくりと腰を延ばせば痛くありません。

 

今感じている痛みは存在しない幻の痛みである

それを認識するのです。

毎日毎日、ゆっくりとのけぞりのポーズをとることで、腰がもう痛くない、治っている、ということを脳に刷り込むのです。

 

それでストレスが取れて、脳の痛み解除プログラムが作動する。

そのおかげで、幻の痛みから解放される。

 

そんな単純なことで本当に?

でも、本当に治っちゃうみたいですね、長引く腰痛が。

不思議だけど、多くの人にとってうれしい情報のNHKスペシャルでした。

 

ただし、腰痛の原因が腰以外の体にある人も存在します。

たとえば、ハムストリングスという太腿の裏側の筋肉群の問題で腰痛になる人もいるのです。

そういう方々ではその筋肉のケアが大事になってきます。

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 - 体の痛み

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