この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

海辺で小さなハエに刺されて痒くてどうしようもない場合

      2015/08/02

海辺や防波堤での虫刺され。

町の中で経験するそれに比べると、人によってはものすごく痒くなることがあります。

しかも刺されるときはかなりたくさんの場所をやられる。

 

どうしてそうなるのか、どうしたらいいのか。

刺された後の処置を中心に説明します。

 

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海辺で小さなハエのような蚊のような虫に刺されて痒みがすごい

 

海水浴に行く人はずいぶん減りましたが、ビーチで遊んだり、釣りをしたりということはときどきやりますよね。

できるだけ人のいない穴場を探して水遊びをするのは楽しいのですが、人気の少ないところって、虫気は多かったりします。

気が付くと手足が虫刺されだらけ。

 

海辺で手足を刺してくる虫は、普通の蚊もいますが、別の虫であることがあります。

ヌカカと呼ばれる小さなハエのように見える蚊や、ブヨと呼ばれるハエの仲間です。

これら、どちらもサイズが5㎜以下の小さな連中なので、気が付きにくいのですが、集団で襲ってくることが多いのでけっこうたくさんの箇所を刺されます。

 

Leptoconops_spp._from_CSIROhttps://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ALeptoconops_spp._from_CSIRO.jpg

 

虫のサイズの割に、痒みはけっこう強くて、普通の蚊では刺されない人もすごく腫れ上がったりします。

刺されたらどうすればいいのかといえば、実は刺されてから処置するまでのタイミングで方法が異なります。

刺された直後にお勧めの処置と、15分以上たってからおすすめの処置は全く逆だったりするのです。

 

 

刺された直後なら45℃から50℃に温めて毒(虫の唾液成分)を破壊する

 

虫に刺されるとなぜかゆいかというと、虫の唾液成分に対するアレルギー反応が起こるからです。

(生まれて初めてその虫に刺された時には痒くなりません。)

で、この痒みのもととなる唾液成分なのですが、高熱に弱いタンパク質であることが多いのです。

ヌカカやブヨの唾液成分のたんぱく質は、45℃から50℃程度に加熱することで変性して、アレルギーを起こしにくくなります。

 

だから、さされた直後に熱いシャワーを浴びることができる、熱めのお湯につけることができるという状態であれば、刺された場所を温めれば大丈夫です。

花火の準備をしている場合にはろうそくを用意していることもあるでしょうから、そのろうそくのろうを刺された場所にたらしても大丈夫です。

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ろうそくから垂らしたろうは50~55℃らしくて、そういう趣味の人は頻繁に垂らしたりしますが、熱いとは感じるものの、ほとんどやけどしないそうです。

(同じ場所に1分間垂らし続けたりしたら低温やけどすると思いますけど。)

 

ただしこの方法、刺されてから5分以内ぐらいにやってください。

15分以上経過したら、やらない方がむしろいいです。

 

 

刺されたのにあとから気づいたり、家に帰ってからなら冷やすほうがいい

 

虫刺されはアレルギー反応であると書きました。

これはどういうことかというと、虫の刺した場所に注入された虫の唾液を、排除すべき異物だと認識した免疫系が攻撃するということです。

何が起こるかというと、抗体を介して唾液アレルゲンを認識した肥満細胞という細胞がヒスタミンという痒み物質を放出します。

これにより、痒みが始まるとともに、局所に炎症細胞を呼び寄せます。

 

痒みが発生するのは、そこに食いついているであろう寄生虫を掻き落とすために有効です。

かのように刺して逃げる虫ではなくて、マダニやヤマビルのように食いついたら数時間かけて血を吸うような寄生虫を排除するには大事な機能です。

それだけではなくて、寄生虫に刺されると、皮膚にあいた穴から同時にばい菌も入ってきますので、それへの対策も重要です。

 

このため、虫に刺された場所には15分もするとさまざまな白血球が集まってきて、炎症反応を起こします。

これは、温めると強い反応が起こりますし、冷やすと反応が弱くなります。

 

ということで、虫に刺されて15分以上たったら、すでに炎症が始まっているので、冷やした方が安全です。

冷やすことで痒みも収まります。

 

 

虫に刺された直後なのか15分経ったのかわからない時はどうするの?

 

虫に刺された直後の5分以内なら熱いお湯で温める、刺されて15分以上たったら冷やす、それはわかりました。

でも、その間の時間(5分~15分)だったらどうすればいいですか?って思いますよね。

 

これはね、冷やす準備もした上で、最初は温めてみましょう。

間に合えば痒みが発生しませんし、炎症も起きませんからきれいに治ります。

間に合えばめちゃラッキー。

でも、もう炎症が始まっている場合には、温めて3分もするとめちゃくちゃ痒くなって腫れ上がってきます。

そこから、急いで冷やしてください。

 

これね、個人差があるので、やってみないと分からないんです。

虫の種類や数にも影響されるし、その日の体調で免疫反応の強弱も変わりますから。

 

どっちかまったくわからない、蚊に刺されるといつもものすごく腫れるときは、温めずに冷やすほうが安全です。

もちろん、虫刺されの薬を使うのも有効ですよ。

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 - 虫に刺された?

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