この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

エアコンを稼働させてから咳が止まらない原因はカビかもしれない

   

夏になると止まらない咳で悩む人が意外に出てきます。

暖かいのに、それに高い熱が出たとかの急に風邪を引いたような感じもしない。

こまめに体温を測ってもたまに微熱程度。

 

でも、暑くなってからというもの、咳が止まらなくて困っている

そして、なんとなく全身倦怠感も出てきてしんどい。

 

それは、エアコンのカビが原因の可能性があります。

 

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エアコンを動かしてから咳が止まらないならカビアレルギーを疑って

 

エアコンを使うような季節、特に5月下旬からの暑さ対策としてエアコンを使うようになった方で、やたらと咳が出るようになって止まらないという方がいます。

もちろん、外の暑い空気のところにいて、それから急にエアコンの効いた部屋に入ると、その寒暖差で気道が刺激されて咳が出て止まらなくなる人はいます。

これは冬場、暖かい室内から外に出た場合にも起こりますね。

 

でも、このような寒暖差アレルギーは場所がどこであれ、温度差が激しいと起こります。

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これに対して、どうも家に帰ると咳がひどいという方の場合、原因は別にあると考えた方がいいように思います。

エアコンの中のカビに対するアレルギー反応が原因の過敏性肺炎の症状であるという可能性です。

 

エアコンの中の結露で水分を、埃を栄養分として増えたカビの胞子がアレルギーの原因となるのですが、多くの場合は何種類かのという特定のカビ菌が原因です。

トリコスポロン、オーレオバシジウム属、カンジダアルビカンスなど。

カビ以外に好熱性放線菌という最近も原因になりますが、多くはカビが原因です。

 

基本的にカビですから湿度の高い、ちょっと汚れたところで繁殖します。

掃除の行き届いていない風呂場や台所、あるいは万年床状態のベッドの下などでもこのカビは増えます。

 

エアコンの中はこれらの環境に比べればカビにとっては厳しい環境ですから、めちゃくちゃカビが増えやすいわけではありません。

ですが、エアコンの最大の問題点は、このカビの胞子を吹き飛ばしまくって部屋中にまきちらし続けることにあります。

エアコン内の結露で繁殖したトリコスポロンは風に乗せてぶんぶん振りまく。

そしたら家にいる間中、カビの胞子を吸ってアレルギー反応を起こす可能性はあります。
ではどうしたらいいのでしょうか?

 

 

エアコンで止まらない咳がいつごろからどうかを病院で説明して

 

エアコンをつけると止まらなくなる咳がカビによる過敏性肺炎である場合、状況を侮ってはいけません。

じつはこの夏型過敏性肺炎、毎年繰り返して大量のカビ抗原に暴露され続けていくうちに、肺の機能が落ちていくことがあるのです。

 

エアコンにカビが増えているからと言って、すべての人でこの過敏性肺炎が起こるわけではありません。

一緒に生活している家族でも起こす人と起こさない人がいます。

遺伝的に、この病気になりやるい人とそうでない人がいるのです。

 

遺伝的に過敏性肺炎になりやすい人たちでは、免疫反応が亢進していることが多いのです。

(免疫が弱いのではなくて、強すぎるのです。)

このために、炎症を起こす原因である細菌などをやっつける役目の好中球や単球と呼ばれる白血球が肺に集まってきます。

 

肺に集まってきたこれらの白血球はカビの胞子のアレルゲンを発見次第、えいやっとやっつけるのですが、このときに肺の組織自体も被害を受けます。

待ちに侵入したエイリアンをやっつけるために特殊部隊が火炎放射器やマシンガンをぶっぱなしまくっていると考えてください。

エイリアンが全滅したころには町の建物もボロボロになります。

 

このようなことが繰り返されると、「線維化」と言って、肺の病巣は堅くて伸縮性が悪い組織へと変わっていきます。

するとその周辺の肺胞は十分開くことができずに、呼吸効率が悪くなります。

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これがすべての肺に広がり続けると、やがては呼吸困難に陥る、命に係わる疾患へと進展する可能性があるのです。

 

だから、エアコンをつけてから咳が止まらないという症状に気づいたら、早めに病院に行って相談してください。

 

エアコン以外の部屋のカビも含めて根こそぎ排除するのが効果的です

 

病院で過敏性肺炎の治療を受ける(重症の場合、ステロイド内服も必要です。)その一方で、お部屋の対策も重要です。

カビの繁殖する原因を取っ払ってしまうことが大事です。

 

第1の選択肢は、引っ越してしまうことです、これは完璧な方法ですが、なかなかそうもいきませんよね。

原因であるカビを、あなたの家からできるだけ減らす方向で考えましょう。

 

第2の選択肢は、エアコンを新しい機種と交換してしまうことです。

これもけっこうお金がかかりますから、余裕がある方だけの選択肢ですね。

 

そして、第3の選択肢がエアコンのクリーニングです。

これについては次の章でくわしく書いてみます。

ただ、注意点があります。

 

エアコンをクリーニングするにしろ買い替えるにしろ、その際に、できれば部屋の中のカビの原因もできるだけ取り除いてください。

というのも実は、原因となるカビが最初に繁殖したのはエアコンの中ではない可能性があるからです。

 

たとえば絨毯にこぼした汚れや、窓の結露が伝って壁の隙間にたまった汚れと湿気

そういうものが最初の原因となり、カビが繁殖した可能性があります。

 

さらにはベッドの下や、壁とくっつけている隙間がやばいです。

そういう、空気の流れないところに、毎日あなたが寝て体から発せられる水蒸気が溜まり続ける、さらには体の赤やふけが底に落ち込んで栄養分になるのです。

実際に、エアコンをつけていないのに過敏性肺炎になった人の部屋を調べたら、ベッドのマットレスの隙間がカビでびっしる埋まっていたということがあります。

 

ということで、部屋の中全体のクリーニングも考えてみてください。

 

ただし、これらの掃除、できれば自分ではしない方が良いです。

なぜならば・・・

 

 

エアコンのクリーニングや部屋のクリーニングを業者に頼んで行う

 

この病気の原因となるカビを部屋から取り除いてしまうことは重要です。

ですが、それをやるためにはかなり大がかりな掃除とクリーニングが必要です。

家具を動かしたり、畳や絨毯をはがしたり、カーテンを取り外したり、エアコンのクリーニングをしたり。

 

咳が止まらなくなっている人は、できればこの作業に関わらないでください。

掃除のための諸作業で大量のカビの胞子が舞い上がるはずです。

いくらマスクをしていても吸い込んでしまいますし、大量に目に入ると目の粘膜でアレルギー症状が出る可能性もあります。

かといって、全身を防護服で包んでやると、簡単に熱中症になってしまうと思います。

 

また、同じ家に住んでいて発症していない家族にお願いするのも考え物です。

なぜなら、その家族もまだ発症していないだけで、もう少し長い期間、もう過ごしたくさんのカビ抗原に暴露されると発症する状態であるかもしれないからです。

同じ肺炎を起こす危険度は高い人たちだと考えておいた方が良いです。

 

ですから、部屋とエアコンのクリーニングは専門の業者に頼んでください。

有名なところではダスキンなどの大手の会社がそういうクリーニングを一手に引き受けてくれます。

 

この疾患を治すうえで重要なことは、

1.医師の適切な治療受けること

2.抗原との接触を避けること

この2点ですから、ぜひ、家に住んでいる人以外の専門業者の力を借りて進めてくださいね。

 

 

エアコンのカビで咳が止まらなくなった人のすべきことのまとめ

 

1.医師に相談して過敏性肺炎であるかどうかを診断してもらう

2.治療を速やかに開始する。

3.原因となるカビのクリーニングを外部業者に頼む
(本当は引っ越すのがベスト)

 

以上の三点です。

ここ数年、繰り返しているようであれば、一刻も早く病院に行って診断を受けてくださいね。

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 - 呼吸器の症状

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