この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

生理前の浮腫みを解消する短期間糖質制限ダイエットの理論

   

 

生理前症候群(PMS)で悩んでいる人の数はかなり多いです。

PMSの悩ましい症状はいろいろありますが、けっこう深刻なのが浮腫みですね。

それも顔だけがパンパンに腫れてしまう浮腫み。

生理が終わるころまで人前に出るのも嫌になってしまいます。

 

それを予防できるかもしれない食事方法についての覚書です。

 

 

生理前の浮腫みを予防する生理の一週間前からのプチ糖質制限

 

生理前から顔が腫れ始めて、生理の間中顔だけパンパンになる人。

原因はいくつか考えられますが、そのうちの一つの効果的な方法が糖質制限です。

生理の予定前一週間からの糖質制限で、顔のむくみを予防できる可能性があります。

 

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方法として一番おすすめなのは朝ごはん以外は完全に糖質制限することです。

お昼は糖質制限お弁当(ジャーサラダと鶏のソテーとチーズなど)、晩御飯はきっちり糖質制限します。

ご飯、パン、芋、麺類、根菜類、果物、お菓子を避けます。

 

一週間、それをするだけで、体質がドンピシャな人は生理前と生理中の浮腫みが劇的に軽減します。

早く効果が出る人は最初の生理の時から、効果が遅めの人でも3周期目には効果が見えてきます。

三周期、試してみても効果が出ない人、もしも糖質制限が嫌いでなければそのまま続けてみてください。

あとから時間差で効果が出る可能性もあります。

 

この方法のラッキーな副作用は、痩せることができるということです。

とくに、標準体重よりも重い人は劇的に痩せる可能性があります。

一か月に一週間頑張るだけで体重が減るダイエットです。

 

ともかく、糖質(砂糖やでんぷん)を食べるのは朝ごはんだけ、それも朝6時から9時の間までの起きてすぐの時間帯だけにしてみてください。

それだけで、生理前の浮腫みが著しく改善する可能性があります。

理由については次の章で。

 

 

生理前の浮腫みを起こす黄体ホルモンと増強するインスリン抵抗性

 

生理前の浮腫みの最大の原因は、黄体ホルモンという卵巣から分泌されるホルモンです。

黄体とは、排卵した後の卵が入っていた袋、卵胞の細胞が変化したものです。

この黄体細胞から分泌される黄体ホルモンは、妊娠に備えて産生されるもので、これが体内のほかの様々なホルモンの機能に影響を与えます。

 

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インスリンというホルモンは、食事で炭水化物を食べて血糖値が上がった時に膵臓から分泌されて、血糖を速やかに脂肪細胞や肝臓細胞に取り込みます。

(取り込んだブドウ糖の多くはそこで体脂肪に変えて貯蔵されます。)

カレーライスなんか食べた日にはインスリン全開です。

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ところが、黄体ホルモンが高い状態、あるいは黄体ホルモン産生を促す黄体化ホルモン(LH)が高いと、インスリンの作用は抑えられます。

 

なぜでしょうか?

それは血糖を赤ちゃんに横流しするためです(笑)。

 

ブドウ糖(血糖)は細胞のエネルギーとして非常に効率が良い栄養素です。

だから母親の血液のブドウ糖を、細胞に取り込ませずに少しでも効率よく赤ちゃんの栄養素として利用できるように、妊娠中の母親の体ではインスリンの効きが悪くなります。

 

でも、そのメカニズムは、数百万年かけて樹立されたメカニズムです。

ほんの数万年前まで、人類は農耕を知りませんでしたから、糖質をたくさん食べることができるのは果実やドングリが実る秋だけでした。

ごくまれに出会う糖質エネルギーを余すことなく赤ちゃんに与えるために、黄体ホルモンは頑張るのです。

 

でも、コメが余り、食べ残しのパンが毎日何百トンも捨てられる日本という現代社会。

私たちは朝から晩までおいしい糖質を食べ続けていて、みんなが糖尿病予備軍状態です。

(だからインスリンの効きが悪くなり妊娠中には妊娠糖尿病という状態が生まれやすくなるのです。)

 

とうことで、私たちは基本的に糖質摂取過剰状態にあって、毎食ごとにインスリンが作動せざるを得ない状態です。

妊娠以外で黄体ホルモンの効果が最も強くなる生理前には、インスリンの効きが悪くなることでむくみ易くなります。

(なぜインスリンの効きが悪いとむくみ易いかについては長くなるので省きます^^;)

 

 

 

生理前の浮腫みがインスリンに関係ない、免疫亢進の影響も考えて

 

生理前のむくみがインスリン抵抗性の問題であれば、糖質制限が効果を発揮します。

でも、効果がいまいちで、生理前というよりも生理が始まると同時にむくみが強くなる場合には、免疫反応のことも考えておく必要があります。

生理ではがれて変性した子宮内膜に対して免疫が過剰に反応している状態です。

 

この状態になると、生理の排出物が少しでも卵管を通じて腹腔内に漏れると、強い炎症を起こすことがあります。

逆流しなくても、はがれた時のわずかな傷から子宮内膜成分が子宮の組織に入って、生理痛も強くなってしまうことがあります。

この場合は、抗ヒスタミン剤などが有効なこともありますが、第一の選択は安静にして、炎症を強めないことです。

 

ただし、この場合にも糖質制限は有効なことがあります。

糖質制限すると、花粉症などのアレルギー反応が軽減することが知られています(メカニズムはわかりません)。

それと同じことが期待できるので、とりあえずはプチ糖質制限をしてみることをお勧めします。

 

 

生理前の浮腫み対策のまとめ やることは簡単です

 

  • 生理前一週間からプチ糖質制限、三周期はやってみる
  • 生理とともに症状が強くなる人は安静にして体を休める

 

基本はこの二つです。

 

この二つをやってみてもだめな場合、一番簡単なのは低用量ピルでしばらく生理を軽くすることです。

ピルを飲むと卵胞発育がお休みするので、黄体ホルモンの産生量もものすごく減ります。

三周期目からは快適に過ごせると思いますよ。

 

でも、糖質制限もやってみてね。

無料でできることだし。

 

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 - 産婦人科の症状

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