この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

前駆陣痛はいつから始まって本陣痛と出産までどのぐらいかかる?

   

 

前駆陣痛という言葉があります。

産婦人科医療関係者の言う前駆陣痛と、一般の人がイメージしている前駆陣痛との間にはずれがあることが非常に多いです。

でも、定義がどーたらかたらとか、聴きたくないでしょうから、実際的な話だけ書いておきますね。

 

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出産前48~72時間ぐらいからの前駆陣痛が初産の臨月では多い

 

臨月かそれ近くの場合(ここでは妊娠35週以降と限定します)、医療関係者の言う前駆陣痛は分娩(お産)の数日前からの痛みを指します。

児頭が下降し始めて本当に痛い本陣痛が来る前に、軽く子宮が収縮する、たいして痛くはないけど子宮が収縮する前駆陣痛が始まるのです。

これは15分おきくらいに定期的に収縮することが数時間続くこともありますが、間隔がばらばらで、痛みの程度も強かったり弱かったりばらばらということが多いものです。

 

初産の人の場合、この段階で産婦人科に来ても、多くの場合にはまだ、出産までは時間的な余裕がたっぷりあります。

おしるしがあれば(粘液が、ある程度まとまって出てくる)、子宮口が開いたということなので、お産に向かいますので、受診して診察することをお勧めします。

ですが、それでも時間的余裕はかなりある場合がほとんどです。

 

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少なくとも、「お腹が張っていても、痛みに動けなくなることなく日常生活なら普通に動き回れる」のであれば、前駆陣痛だと考えていてよいです。

初産婦さんの場合、おおむね、まだ48時間ほどは余裕があります。

 

ということで初産の方でなんだか痛くなってきたぞ、ぐらいの方は慌てずに、シャワーを浴びたり準備をしたりしていてかまいません。

(子宮筋腫の手術をしたことがあるなど、子宮の疾患や手術歴をお持ちの方は、その限りではありません、主治医の指示に従ってください。)

 

ただし、子宮に病歴のない健康な方でも

破水した!

生理の多い日ぐらいの出血があった!

なんかめちゃくちゃいきなり痛くなった!!

などという場合には急いで病院に来てください。

それは非常事態ですから。

 

 

経産婦の場合には前駆陣痛から本陣痛にすぐ移ることも

 

初産婦の方の場合の前駆陣痛はゆっくりかまえていて大丈夫なのに対して、

経産婦さんの前駆陣痛は、期間が非常に短いことがありますし、定期的に痛くなったらすぐ本陣痛ということもあります。

これは極めて個人差が多いことです。

 

子宮や産道の柔らかさの個人差もありますし、前のお産からどのぐらい間が空いてるかでも違いますし、赤ちゃんの頭のサイズでも異なります。

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ですから、経産婦さんの場合は、妊婦外来で子宮口がある程度開いていると言われていたのであれば、前駆陣痛なのか本陣痛なのかとあまり考えずに、とりあえず電話で連絡して、助産師参加産婦人科医師の診察を受けるようにしてください。

 

 

妊娠中期以降の40~90分に一度の痛くない子宮の収縮は準備運動

 

一般の人の間で出回っている「前駆陣痛」という概念には、医療関係者が前駆陣痛だとは意識しないものも含まれています。

じつは妊娠24週あたりから、40~90分に1度ぐらいは子宮の収縮が起こっています。

日常生活の間はほとんどの人がこれを意識していませんが、お風呂に入っているときやお布団に入ってすぐなどのリラックスし初めの時にこれがあるとよくわかります。

 

この子宮の収縮は陣痛につながるものではなくて、子宮がきちんと機能するかどうかを確認しているようなものだと考えてください。

 

実は子宮の中の赤ちゃんもこのぐらいの周期で寝たり起きたりしていて、その端境期に子宮収縮が起こりやすいのです。

私は研修医の時に3時間継続超音波観察というのをやらされて、20人ぐらいの妊婦さんで記録を取りました(妊婦さんも大変です、協力ありがとうございました。)。

確かに、28週から32週の人たちではそのような周期で赤ちゃんの活動の変化と、子宮の収縮がありました。

 

この収縮自体は、気にしないでよいです、自然現象です。

 

 

35週未満の30分に1度以上の定期的なお腹の痛みは早産の始まりかも

 

さて、妊娠中期から40分から90分に一度の軽い子宮のはりは自然現象だから気にすることはないと書きましたが、

 

35週未満でこれが定期的に発生して、痛みを伴う、

あるいは次第に痛くなる、間隔が短くなる、

それも30分に1回以下で2時間続くようであれば、

 

入院するつもりでできるだけ早めに産婦人科を受診してください。

切迫早産(早産のなりかけ、始まり)である可能性があります。

 

35週を過ぎていればほとんどの赤ちゃんは2200g程度はありますので、普通の有床診療所での分娩後、赤ちゃんのケアも、ほぼ、できます。

でも、それより早い段階で生まれると、普通の産院やクリニックではケアできずに赤ちゃんはNICU(未熟児集中治療施設)のある病院に入院することになる場合が多いです。

 

これを避けるためには、薬(ウテメリンなどの点滴)で陣痛を抑えます。

ただし、陣痛を抑えても赤ちゃんに問題がないと判断した場合のみの処置であり、そう判断するためにはお母さんと赤ちゃんの状態をいろいろ観察する必要があります。

 

 

ということで実際的なケースをいくつか書きました。

気になる状況があったらコメントかメールでお尋ねください。

 

ただし、緊急性が高い場合はかかりつけの病院を優先してくださいね。

このブログは基本的には時間的余裕がある時にしか見ませんので、

タイムリーな返事はできません、あしからず。

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