この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

妊娠中の熱中症対策、妊娠初期、安定期、後期それぞれの注意点

   

 

最近の日本の夏は異常に暑いです。

気温35℃以上の日が一週間以上も続く上に、湿度も高い。

熱中症の患者数が毎日報道されていますが、ここには妊婦さんもけっこうな数、含まれています。

 

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妊娠中に熱中症になったかなと思ったらどうすればいいのか?

 

妊娠中に熱中症になったらどうすればいいのかについてまず書きますね。

 

  • 妊娠初期のつわりの時期の熱中症

 

妊娠初期にはそれほど体重も増えてないし、血液量も増えていないので心臓への負担はあまりありません。

でも、つわりの人は水分摂取が不十分なので、すでに脱水状態にあります。

そういう人が暑さにやられると、わりに簡単に脱水が加速して、気分が悪くなり、動けなくなります。

 

つわりの人が、つわりに加えて熱中症と思われる急なめまいや激しい頭痛、耳鳴りなどを感じたら、OS-1などのイオン飲料での水分摂取を試みてください。

それと同時に、家族に頼んで、急いで産婦人科に行って、点滴をしてもらってください、それだけで治ります。

つわりの人の熱中症は急激に悪化する可能性があるので、様子を見ないで迅速な対応をお願いします。

(産婦人科が遠ければ近くの内科でよいです。)

 

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  • 妊娠安定期の人の熱中症は外を歩いていて突然発症します

 

妊娠13週を過ぎたあたりから26~27週ぐらいまで、この時期は妊娠中のトラブルが少ない時期です。

安定しているので、熱中症にもなりにくいと思いがちですが、案外簡単に熱中症になってしまいます。

 

妊娠安定期の妊婦さんが熱中症になる場合、家の外で活発に活動しているときにいきなり症状が出るケースがままあります。

木陰のバンガローだし、上のお兄ちゃんが楽しみにしてたし。

ということで、アウトドアでのバーベキューに参加。

 

「君はいいから休んでなさい、焼けたら呼ぶから」

そんなこと言われたって、私だって手伝いたいし、長男と話しながら焼くのも楽しいし。

調子よく焼いていたら、急に冷や汗が出てきて、立ってられなくなります、目の前真っ暗。

 

これは、立っている状態を長く続けたことが引き金になります。

赤ちゃんの入っている妊娠子宮が、自分の腹部大動脈を圧迫します。

 

これで、体の上の方に血液が上がりづらくなっているわけです。

その状態で、暑くて体の表面の血管は開いて、発汗による気化熱で体を冷やそうとします。

立ちくらみと同じ状態で、くらくらしてしまいます。

 

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まず、座るか横になるかしてください。

そして水分補給をして、気分がよくなってもそのまま休憩しておくことが大事です。

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実は、昨日までと今日とで、この症状の出やすさがいきなり変わることがあります。

赤ちゃんが大きくなることで、子宮が大きくなり、血管を圧迫する。

それと骨盤の大きさとのバランスで、ある日を境に症状がいきなり強く出たり、改善したりもするのです。

 

「昨日までなんともなかったのに~!」

と、文句を言わずに休ませてもらいましょう。

 

 

  • 妊娠後期、8か月に入ってからの熱中症では水分摂りすぎにも注意

 

 

そろそろお産のことを考え出す妊娠8か月。

この時期になるとお腹もかなり大きくて重いし、汗もめちゃくちゃかくので、水分摂取不足になることはあまりありません。

周囲の人も、明らかに妊婦さんだと分かるあなたにいろいろと気を配ってくれます。

だから、意外に熱中症になる人は少ないのです。

 

むしろこの時期に注意してほしいのは、水分の摂りすぎによる低ナトリウム血症です。

トライアスロンの選手などでもしばしば問題になる症状ですが、失われた水分量よりもたくさんの水分を摂取してしまうと、体の中のイオン濃度が薄まることがあります。

すぐには症状が出ないのですが、しばらくその状態が続くと、

頭痛と気分不良が起こり、意識が遠のきそうになります。

そのまま気を失ってしまうこともあり、そうなると、妊娠自体がけっこう危険です。

 

水分をとるときには、コップで何杯飲んだかを数えるようにしてください。

そして、汗で体重がどのぐらい減って、それを飲み物でどのぐらい補給したか、きっちり出なくていいから、気にかけていてください。

出ていった水分と同じぐらい摂取して、そのうち半分くらいはアクエリアスゼロなどのイオン飲料を飲むようにすると安心です。

 

 

ということで、妊娠の時期に応じて熱中症になった時にできる対策と、ふだんから気を付けることについて時期に応じて説明しました。

 

 

 

妊娠中には熱中症になりやすい体の状態ができている

 

妊娠している方は妊娠していない女性に比べると熱中症になりやすい体質に変わっています。

 

まず、体温が高い状態が続きます。

妊娠していなくても、生理前の10日から2週間はみなさん、0.3℃くらい体温が高めになるのですが、妊娠するとその状態がずっと継続します。

赤ちゃんを安定して維持するために、そして赤ちゃんや胎盤の健康を維持するために必要なことですが、これでまず、普通の状態よりも暑がりになっています。

 

次に、体の中の水分の量が増えます。

これも、赤ちゃんと胎盤、そしてそれを支える大きな子宮を維持するために血液量や退役量が増えます。

増えた体液を維持するために心臓も腎臓も肝臓も、普段よりもずっとたくさん働かなくてはならない。

内臓が普段の最大で5割増しで働く分、エネルギー消費で発生する熱も増えます。

 

このために妊娠してない人に比べれば、たくさん汗をかかなければならないし、ずいぶんも塩分も適切に摂らなくてはならない。

それがちょっと崩れやすい分、普通の人に比べれば、簡単に熱中症になりやすくなります。

これは妊娠全体を通じての前提です。

 

これを念頭に置いた上で、前の章で説明した対応や予防に臨んでくださいね。

 

この暑い夏を乗り切れれば、秋の涼しさがものすごく快適なはずだから、もうちょっとだけ頑張りましょうね。

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 - 夏の症状, 妊娠中の症状

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