この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

お尻ニキビの赤くて痛い毛嚢炎は悪化すると手術が必要になる

   

 

お尻ニキビがニキビではなくて毛嚢炎と呼ぶべきであること

市販薬での毛嚢炎の治療方法について前の記事で説明しました。

お尻ニキビが痛くて腫れているのを治す市販の薬と治療方法

http://symp.biz/archives/130

 

でも、この方法は悪化してしまった毛嚢炎には効きません。

悪化した毛嚢炎は、毛穴の外まで細菌感染が広がり、皮下膿瘍(慢性膿瘍)になっているからです。

皮膚科を受診するべきなのです。

 

どうして受診すべきなのかの説明と、重症かどうかの判断の仕方について書いておきます。

 

スポンサーリンク

 

お尻ニキビの毛嚢炎は浅いうちは塗り薬で治るけど、深くなると怖い

 

皮脂の分泌口は毛穴で、毛穴に起こる炎症ということで、お尻ニキビのような状態を毛嚢炎と呼びます。

毛穴の中の皮脂成分を作り出す皮脂腺に細菌が感染して腫れている状態です。

これ、顔の毛穴の毛嚢炎に比べると厄介な状態なのです。

 

a0001_014349

そもそも顔の毛とお尻の毛では毛の太さと長さが違います。

顔に生えている毛はかなりクローズアップしてみないとわかりませんよね。

それに比べると、お尻の方が毛も太いし長いです、その分、毛穴も大きくて深いのです。

(個人差はあります、毛深い人の方が毛嚢炎を起こしやすいです。)

 

このため、お尻の毛穴の場合、皮脂腺で繁殖した細菌が、毛穴の深いところにどんどん潜り込んでいけます。

深くて長い毛穴の中ですごい勢いで増えた細菌の塊、私たちの免疫細胞は必死でやっつけようとしますが、最近の増える勢いが優り始めると数が多すぎて押さえきれません。

皮脂腺のみならず毛穴全体、それどころか毛穴の周りの結合組織にまで細菌感染が広がることがあります。

 

この状態になると、塗り薬が細菌感染巣まで届かなくなることがあります。

市販の塗り薬だけでは簡単には治りません。

それでも、表面の細菌を薬がやっつけてくれることで、体の免疫系が深いところの細菌を攻撃するのに専念することは期待できます。

つまり、細菌が毛孔組織の外に広がり始めてすぐぐらいならクロマイーPを塗って治せるかもしれません。

 

でも、手遅れになると市販の薬では治せません、それどころか、皮膚科に行っても薬では治せなくなることがあります。

慢性膿皮症と呼ばれる状態です。

 

 

おしりの毛嚢炎とそれが悪化した病気の臀部慢性膿皮症の見分け方

 

お尻の毛嚢炎は、しばしば毛嚢炎の外にまで炎症が広がる(細菌が出ていく)ことがあります。

スポンサーリンク

この広がった炎症は、となりの毛嚢に侵入して皮脂腺に感染し、結果として隣り合った毛穴も毛嚢炎を起こすのです。

 

a0001_014351

お尻ニキビができた時に、

「親玉のニキビがあって、その周りに、それを取り巻くように子供のニキビができている」

そういう状態に気づいたことはありませんか?

 

この状態は、もはや感染巣が毛穴の外に広がっている膿瘍(のうよう)と呼ばれる状態になっています。

お尻ニキビの親玉、こうなってくると、クロマイーPを塗っても治せないと思っておいた方がいいです。

 

お尻にできたこのような皮下膿瘍のことを

慢性膿瘍(まんせいのうよう)

あるいは

臀部慢性膿皮症(でんぶまんせいのうひしょう)

と呼びます。

 

この状態になると、残念ですが、市販の塗り薬で治せる見込みは薄いです。

何度も書いていますが、クロマイーPを塗って一晩で改善傾向がなかったら、自宅で治すことはあきらめましょう。

さっさと皮膚科を受診して、塗り薬と飲み薬を処方してもらうことが重要です。

早いうちであれば、皮膚科でもらう処方で切らずに治せる可能性があります。

 

ともかく、複数の毛嚢炎が固まってできたら

皮膚科を受診しろというお尻からの通告

だと、思っておいてください。

 

え?

皮膚科でお尻を出すのがいや?

医者はいろんな尻をしょっちゅう見てますから、なんてことないんですが(-_-;)。

ともかく、早めに受診した方がいいですよ。

どうしてかというと・・・

 

 

お尻ニキビを皮膚科で見せるのが手遅れになるとどうなるか

 

皮膚科に行ってお尻を出すのが嫌だなあと思って、クロマイーPを塗って。

良くならないのにずっとごまかし続けていると、抗生物質抵抗性の菌が増えることがあります。

そうなると、皮膚科で処方される薬でも治せなくなることがあります。

 

手術になります。

 

膿皮症になった部分をえぐり出して、感染のもとになる傷んだ組織を全部取り出します。

悪化すると、10cmぐらいの深さまで切り込むこともあります。

動けるようになるまでに二週間ぐらい入院するケースもあります。

 

怖い話をもう一つ書いておきます。

慢性膿瘍を何年も放置すると、そこから基底細胞がんなどの皮膚がんが発生する可能性が高くなります。

このことについてはまた先で説明しますね。

 

皮膚科の処方薬で治る見込みのあるうちに、受診してください。

 

よろしくお願いします。

 

スポンサーリンク

 - 皮膚の症状 ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

a0070_000266
日焼けの痛み対処法 ワセリンとサランラップ処置

日焼けの痛みって時間がたってから気づいたりするもので。 海で遊んで、乗り物に乗っ …

a0001_017411
蚊に刺されたような痒いふくらみが同じ場所に、でも原因不明、じんましん?

じんましんは何かに対するアレルギー反応でできる痒いふくらみです。 蚊に刺されたよ …

a0002_009258
お尻ニキビが痛くて腫れてるのを治す市販の薬と治療方法

  お尻ニキビという言葉をしばしば耳にします。 でもね、お尻には、特に …

爪の黒い筋
爪に黒い縦筋ができて消えない メラノーマなのかほくろなのか

  たまにですが、爪に黒い縦線ができることがあります。 一度できると簡 …

a1400_000445
日焼けのシミが目の下や肩で大きくなったのを消す薬や方法は?

  日焼けって日焼けした直後は真っ赤になって痛いけど、我慢しているうち …

a0027_001445
日焼け後の白斑と違う場所の白斑では悪性腫瘍の危険度が違う

日焼けの後、特に皮がむけるような日焼けの後に、白斑ができることがあります。 赤く …