この症状は何の始まり?中年医師のウェブ手帳

気になるその症状で何が考えられ、どうしたらいいかの覚え書き。専門は産婦人科・内科・アレルギー科です。

夏になると立ちくらみがひどい理由と対策 中学生女子汗っかき

      2015/08/27

夏になると立ちくらみで倒れてしまう人が増えます。

特に中学生の女子が多いですよね、朝礼の時とかに体育座りから立ち上がった途端にふらふら、ばたん。

 

夏場に立ちくらみの症状が強くなる。

立ちくらみだけじゃなく、めまいや手足のしびれた感じもあるのが気持ち悪い。

 

どうしてそうなるのか?

どうすればそれが防げるのか?

 

メカニズムから考えてみましょうか。

 

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立ちくらみは血が脳に届かないのが理由で、貧血ではないのです

 

立ちくらみがなぜ起こるかというと、脳に血液が十分に行かないこと(脳貧血)が理由です。

 

寝たり座ったりしている姿勢から急に立ち上がると、頭がそれまでより高い位置に来ますよね。

水は低いところに流れるものなので、脳の血管の血液は体の方に落ちてしまいやすいのです。

そこで、あなたの心臓や血管はがんばって頭の方まで血液を押し上げてやるのですが、急に立ち上がった時にその反応が遅れることで立ちくらみが起こるのです。

 

脳貧血という言葉の意味はそういうことです。

脳に流れ込むべき血液のボリュームが足りないのであって、血液が薄いわけではありません。

 

ときどき、勘違いしている人がいて、

「立ちくらみは貧血の一種らしいから、貧血の薬や鉄のサプリメントが効くに違いないわ。」

そう思ってせっせと鉄のサプリメントとか飲んだり、お母さんの貧血の薬をわけてもらったりする人がいます。

 

でも、

貧血の薬はあまり意味がないのです。

(本当に貧血(血が薄い)場合は飲むのも良いですけど、立ちくらみの薬にはなりません。)

 

 

立ちくらみが夏場に起こりやすい理由は暑くて血管が開いているから

 

立ちくらみは特に夏場になると増えます。

本格的な真夏になる前の6月の晴れた日なんかにも多いです。

なんでそうなるかというと、暑いからです。

 

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夏場、暑くなると、それをなんとかして冷やそうと体が反応します。

どうするかといえば、手足などの体の汗をかく部分にたくさんの血液を流して、その汗が気化するときの気化熱による放熱で冷やそうとするのです。

 

このために、手足や体の汗をかいている部分の血管が大きく開きます。

頭や顔でも汗はかきますが、手足や体の表面積の方がずっと広いので、そちらの血管を優先的に開いています。

座っているときはそれでも脳に血液が届くのですが、立ち上がると、手足や体のフルオープンの血管に血液が流れ込んで、脳貧血になるのです。

 

実は、立ちくらみだけでなく、外を歩いていて「暑くてクラクラする」と言っている人も同じ理由でクラクラしていたりします。

(ここには迷走神経反射を考慮する必要がありますが、暑いと血管が開きやすいのは要因の一つです)

体表面の汗をかく部分に血液をたくさん回すので、脳に回る血液が足りないのですね。

汗っかきな女の子の方が立ちくらみを起こしやすい、と考えることもできます。

 

 

夏の立ちくらみが女子中学生に起こりやすい理由

 

夏の立ちくらみがどうして若い女性、女子中学生で起こりやすいのか?

 

一つの理由は、血管が柔軟でよく開くし、汗をよくかくからです。

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子どもたちはけっこう汗っかきだけど、大人になるにつれて汗をかきにくくなりますよね。

運動して蓄熱してもすぐに放熱できるのは子供の特権です。

 

でも、中学生ぐらいだとまだまだたくさん汗をかけるので、血液も体の表面にたくさん取られます。

ところが成長著しいので体のサイズは大人に近い。

それでいて子供のような汗っかきだから立ちくらみも起こりやすくなります。

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もう一つの理由は、成長途上にあるからです。

特に、卵巣から出る女性ホルモンによる体調変化に、まだ体がついていけてないのですね。

だからエストロゲンに過剰に反応したり、逆にしばらく生理が来なくて軽い欠乏症状を感じたり。

血管の開閉を調節するのは自律神経なのですが、その自律神経の調節に女性ホルモンは大きく関わります。

それがまだ大人になり切れていないので、混乱をきたしやすいのです。

 

最後の理由は、痩せすぎだったり、夜更かしだったり、間違ったダイエットをやっていたり、ということです。

でも、ここは人それぞれなので、主な理由は先に上げた二つの原因だと思ってください。

 

血管の反応がまだ子供だから血管は良く開く

生理が来て大人になりつつあるけどまだ不安定だから自律神経が混乱する

 

この二つですね。

 

 

夏場の立ちくらみを回避するにはどうすればいいのか?

 

夏場に立ちくらみが増える原因はわかったところで、それではどうすればいいのか。

立ち上がることで脳の血管の中の血液のボリュームが減るのが原因なので、それをできるだけ下げないようにすればいいわけです。

具体的には以下のような感じです。

 

1.ゆっくり立ち上がる

脳に血液がいかないのは危険なので、立ち上がると体の血管は収縮して、脳の方に行く血流を保とうとします。

それが急に立ち上がることで間に合わないからクラクラするわけで、ゆっくり立ち上がれば大丈夫なことは多いです。

 

2.座った(寝た)姿勢で手足や腹筋に力を入れて、力を入れたままでゆっくり立ち上がる

体の表面で血管が開ききっています。

でも、手足や腹筋に力を入れることで、筋肉の間や筋肉のそばを流れている血管は圧迫されます。

その状態で立ち上がってやることで、脳から血液が流れおちてくるのを少しブロックできます。

でも、立ち上がってから急に力を抜かないように、腹筋の力は徐々に抜いてくださいね。

 

3.濡れタオルや冷たいペットボトルなどで手の表面を冷やしてから立ち上がる

汗かいて、その下を血液がんがん流すことで冷やそうとしているので、水などで冷やしてやることで開いていた血管が閉じます。

ファミレスとかで男子が冷たいおしぼりで顔や首や手を拭いて「あ~きもちええ~。」と言ってるあれ。

あれをやれば立ちくらみは防げるわけで、男子はそのおかげで立ちくらみが少ないのかもですね(笑)。

 

で、それ以外に日頃からできることは、

 

4.運動して筋肉量を増やす

筋肉に力を入れた時の効果が違いますし、意識しないで立ち上がるときにも脳の血流が体の方に落ちにくくなります。

 

5.寝不足や栄養不足(カロリー制限など)を避ける

生活が不規則で自律神経系が乱れると立ちくらみは頻繁に起こります。

 

以上です。

基本はおなかに力を入れつつ、ゆっくり立ち上がることです。

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